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パンデミック 緊急提言 レビュー

パンデミック 緊急提言

ユヴァル・ノア・ハラリのパンデミック緊急提言
死に対する私たちの態度は変わるか?ー私たちは正しく考えるだろうーから

 

避けようのない運命 死の意味より

近代以降の世界を方向づけてきたのは、人間は死を出し抜き、打ち負かせるという信念だ。だがそれは画期的な態度だった。人間は歴史の大半を通じて大人しく死を甘受してきた。

近代後期までほとんどの宗教とイデオロギーは死を避けようのない運命としてきたばかりか、人生における意味の主要な源泉として捉えてきた。人間の存在にとって最も重要な出来事は本人が息を引き取った後に起こった。

人は死んでから初めて、生にまつわる本当の秘密を知るに至った。そしてようやく永遠の救済をえるかあるいは果てしない断罪に苦しむことになった。

 

死に対する人間の態度より

今回のパンデミックで死に対する人間の態度は変わるだろうか?おそらく変わらない。全くその逆だ。コロナのせいで私たちは人命を守ろうとなおさら努力するようになる可能性が高い。なぜならコロナに対して社会が見せる反応として最も目立つのは、諦めないではなく、憤慨と期待が入り混じったものだからだ。

中世ヨーロッパのような近代以前の社会で感染症が勃発したときは、人々はもちろん命の危険を感じ愛する人のしに打ちのめされたが主な反応は諦めだった。

宗教観は人それぞれで一概には言えないですが、信仰心があれば色々なことを受け入れやすくなるという反面、強すぎると自分の死すら受け入れてしまう性質があります。

そういう諦めは宗教観がない人も例外なく来るものだと思っていて、強すぎる信仰心というのはある意味人間にとって1番の劇薬なのかもしれないです。例えば自分の大好きな歌手や芸能人が亡くなってしまったらどうでしょう(コロナ関連で)諦めない保証はどこにもないですよね。

要するにどんなに時代が変わろうとも信仰する対象が物であろうと人であろうと形がないものであろうと何であれ人間はこれからも諦め続けるのだと思います。感染症というのはある程度受け入れないといけないと思いますが、それに関連した死は特に私たちが諦めるか諦めないかという意思にかかっています。

とは言え、感染症の勃発というのはいつの時代も諦めるか諦めないかの2択を迫られているのです。意識をしていなくともです。ですから今のこの状況はもしかしたら私たちが思っている以上に深刻な状況なのかもしれません。