内村航平選手の発言
東京大会が自身4度目のオリンピックとなる内村選手ですが、リオオリンピックからの4年半に歩んできた道は苦難の道のりでした。
2019年4月の全日本選手権の演技中に肩を負傷し、12年ぶりに日本代表から落選しました。肩の痛みは完治せず、満身創痍の内村選手は6種目で競う「個人総合」ではなく、
「鉄棒」の1種目に専念するという大きな決断をしました。
その理由を「コーチから『本気でオリンピック出場を狙うんだったら絶対種目を絞ったほうが可能性が高い。
もがいて苦しくてオリンピックに出られないより、確実に気持ちよく行ったほうがよくないですか』と助言され、自分一人がオリンピックに行くわけではないので、僕に携わっている色んな人と一緒に行くみたいな気持ちになれた。
そこで鉄棒1種目に絞るという決断の踏ん切りがついた。2018年の世界選手権でも銀メダルを獲得できているし、鉄棒はメダル獲得の可能性が高いと思っている」と語りました。
鉄棒1種目に絞って練習を重ねた内村選手は、去年11月に行われた国際競技会で、H難度の大技「ブレットシュナイダー」を成功。
切り札として練習し続けてきた大技を初めて成功させ、2019年の世界選手権金メダルの得点を大きく上回る15.200点をマークしました。
「日本の国民の皆さんがオリンピックができないという思いが80%を超えている。できないじゃなくて、
どうやったらできるかを皆さんで考えて、どうにかできるようにしてほしいと僕は思います」
「もしこの状況で五輪がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない。それくらい喪失感が大きい。
それだけ命かけてこの舞台に出るために僕だけじゃなく東京オリンピックを目指すアスリートはやってきている」
この会見に対してネットの反応はかなり厳しい内容でした。
内村航平「五輪どうやったらできるか」コロナ禍で国際大会開催したIOC渡辺守成委員に聞く
動画のコメント
「もういいかげん諦めるしかない」
「国民がどうのこうのじゃなくて、まずは医療従事者の前で「オリンピックやりましょう!」って言ってきたらどうですか?」
「選手は自分達の事しか考えてないってことが内村航平の発言で分かりましたね」
「多数の生命を犠牲にしてまで金メダルを取りたいのか?例え取ったとしてもそんなものに価値があるとは到底思えない」
「まあ無理だよなぁ」
「世の中が混乱して、生きるか死ぬかのかたが沢山いるのに 運動会したいのか?」
この頃から今の会見で叩かれているようなことがすでに言われていて、選手と観客でかなり温度差があるということがはっきりとわかります。
しかし私は、それくらいじゃないと世界一にはなれないよなとか、そういうこと言ってくれた方が安心するというか、その他大勢のスポーツ選手のやり場のない感情を代弁してくれた気がするとか、色々な感情を抱きつつ倫理的にどうなのと思うところもあるのですが全て含めて『そういう人間がいてもいいんじゃないの』という気持ちになりました。大人気ないところもある気がしますがスポーツ1本でやってきた凄みを感じましたね逆に。
私を含め、世の中生きる目標もないままテキトーに生きている人がほとんどです。そんな中で内村航平選手のように生きる目標のようなものを持っている人を私は尊敬しますし、尊敬しているからこそ生きる目標を奪われた悲しみを自分なりに理解したいのです。恐らく死に向かいやすいですよね。だって私たちが普通に生活していて死に向かう人もいるのですから明確な生きる目標があった人の方が失った時のダメージはかなり大きいはずです。
世の中が混乱して、生きるか死ぬかのかたが沢山いるし、それどころではないのは誰もが知っていることです。だから泣き言の1つだって言ったっていいじゃないですか。私たちと同じようにコロナで死ぬリスクだってあるのですからもっと子供っぽいことを言ったって驚かないし全然言ってもいいと思いますけどね。そのような類のことを内村航平選手のような方が素直に言える世界の方が私は正常だと思います。それだけ異常なことが起こっているという証拠ですから。
恐らくオリンピックは中止でしょうがそれに対して選手が、あがいたり苦しんだり問題のある発言をしたりするかもしれません。そんなところ見たくないと言われたらそれまでですが人によってはそれが死に対するあがきや抵抗になっている場合もあります。そういうことを受け入れられる社会であって欲しいと願うばかりです。