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面白い?面白くない? 男性にもオススメ! アンオーソドックスを読んでみた レビュー

アンオーソドックス

What Unorthodox Teaches Us About Trauma | Netflix

 

ニューヨークのユダヤ教超正統派(ウルトラ・オーソドックス)のコミュニティに生まれたデボラは幼い頃から厳格な規律に蝕まれた生活に息苦しさを感じていた。

正しい服装、言葉を交わす相手、読んでいい本まで全てがしきたりで決められ、女性は人前で歌うこともできず結婚後は髪を剃ってカツラをかぶることを強要される—

不自由と監視の目から逃れ、自由と自立を求め、脱出をした勇気ある女性の回想録。

 

西加奈子(作家)
『心から信じられるものがある人は強い。
デボラのように、それが与えられたものではなく、
みずから選びとったものである場合はなおさら』

花田菜々子(HMV&BOOKS HIBIYA COTTAGE店長)
『痛快でいて爽快な読後感。
本がもたらす力を実感させる回想録』

佐貫聡美(紀伊國屋書店 和書販売促進部)
『最も困難だった時期に彼女を救ったのが物語(本)だった
というのは、書店員としても勇気づけられた』

『「この本は殺された彼女の遺言だ」という言葉に、
パーンと胸を撃ち抜かれた』
——羽原由記(レビュアー)

『デボラの不自由さ、屈辱、そして反抗心。読み進むにつれ、
昭和の片田舎に生まれ左利きであることを揶揄され、
「赤毛のアン」に跳躍する未来を読んだ少女だった私が顔をもたげてきた。
これは、人種や性別を超えた「わたしの物語」だ』
——田中美紀(教育関係者)

『当たり前は決して当たり前ではないのだ。
自分らしく生きることの素晴らしさを実感できる作品である』
——やまと(図書館関係者)

 

 

レビュー(一部翻訳)

「私がこの番組で気に入っているのは、宗教的な高コントロールグループの人々が、多くの点で大人よりも子供に近いほどに保護されていることを示している点です。ヤンキーとエスティのやりとりはすべて、18歳ではなく12歳の子供同士のやりとりのように感じられます。彼らは人生の中で異性から隔離されてきたため、お互いに好きで、うまくやっていきたいと強く願っているにもかかわらず、まとまった結婚生活を送ることができません」

 

「彼女が無理して初めてを奪われた時は心が折れそうになりました。特にヤンキーが来て、彼女の泣き声や表情を気にせずに「すごい」と言っていたのが印象的でした。まるでレイプシーンを見ているようでした。その経験が彼女の最後の財産だったのに、あっさりと奪われてしまったことがわかります。彼女の経験は多くの女性にとって正直に共感できるものなので、私は胸が張り裂けそうになり、涙が出ました」

 

「映像は素晴らしいのですが、一つだけ注意点があります。トラウマを忘れることが解決につながるわけではなく、よく覚えていないトラウマであっても、忘れているトラウマであっても、自分に大きな影響を与えることがあります。トラウマは理解され、処理されることによってのみ解決されると思います」

 

「(上記に対しての反応) あなたの言っていることに全く同感です! 私は里子として育ちました。里子や養子の中には、最高の家庭を築いたにもかかわらず、人生の中でトラウマを抱えている人がたくさんいることを知っています。人々は、実の家族から引き離されることがどれほど子供たちに影響を与えるかを過小評価しています。このような子どもたちは、分離、束縛、信頼の問題を抱え、多くの人が自分の人生を失ったと感じ、非常に自己破壊的です。LGBTQAの10代の若者の自殺率は最も高いのですが、里親や養子の子どもたちもそれに遠く及びません。里親や養子は、生後数ヶ月で多くのトラウマを経験するため、それを自分の子供にも伝えてしまいます。それだけでなく、このトラウマが誤った判断につながり、里親や養子は10代で親になり、投獄される可能性が高いのです。ケースワーカーがこの問題に真剣に取り組むようになったのは、この40年間のことです。それ以前は、子供が安定して生活するためには家族が必要だと考えられていました。今では、子供を引き離すことによるトラウマが長期的な影響を及ぼし、家庭を持てなかった場合、その子供は一生汚されることになると分かっています」

 

「Netflixがこれまでに制作した中で最も素晴らしい番組のひとつです。映画の撮影は本当に素晴らしく、シンプルな顔が千の言葉を語ります。
非常に感動的で、生の感情が伝わってきて、畏敬の念を覚えます。
人魚姫との類似点が多く見られ、どちらも制限された環境からの解放をテーマにしています パワフル」

 

「もちろん、これはテレビ番組であり、この部分はフィクションですが、彼女のように極限状態を脱しなければならず、トラウマになるような経験しかしていないのに、それを自由になるための道具として使うことができた女性たちがいることを考えさせられました。美しいメッセージですね」

 

「現代のフェミニズム文学としてとても読み応えがありました。
全く違う文化宗教の話ではなく、多くの人に読んで欲しいと思う作品です」

 

 

 

アンオーソドックスを読んで

アンオーソドックスを読んで私が思ったことは進撃の巨人と共通するところがあるような気がしたということです。

少し違うポイントはどちらも広い目で見たら外も中も地獄なのだけれども進撃の巨人の場合 外の世界 が、アンオーソドックスの場合 中の世界が 割合として地獄度が高いと個人的に思っていて、中の世界 の地獄度が高いというのは私が思っていた以上に辛いものでした。

幼い時ってどんなに酷い状況でも、中の世界というのは、なんかこう、どんなに敵を作って孤独に生きようとしても仲間意識みたいなものが残っていたりしちゃうもんなんですよ。そういう仲間意識みたいなものが変に期待をさせてしまうというか、受け入れてしまうというか・・・・・・一般人でさえそういうことって結構ありますよね。

もちろん彼女が幼い頃から受けたしつけや教育が大人になって影響された部分も物凄くあると思うのですが、それ以上に厳格なコミュニティにいると血や歴史みたいなバックグラウンドがやたらと絆のようなものを生むというか結束力を強めるというか人生にまで干渉してくるというか普遍になる気がどうしてもするんですよね。昔大虐殺を受けたユダヤ人のコミュニティならなおさらです。彼女はある一定の年齢に到達するまで恐らく酷い状況に対して思考を停止させていたのではないかと私は思います。そういうレベルの普遍ですよね。考えるだけ無駄だみたいな。

彼女の日常は私たちからすれば異常な日常のように感じるでしょうが、彼女にとってはそれは普通の日常でした。アンオーソドックスはそういうよくわからない世界(あるいは私も臭いものに蓋をしている気になっているのかもしれないです)

からの脱却を丁寧事細かにリアルに描き切っています。アンネの日記よりも日記日記していないですがどこか似たような感じの印象を私は受けました。大人のアンネの日記みたいな。これから購入される方はヒントにしてください。幅広い世代にオススメできますが小・中学生高校生の方にぜひ読んでほしいですね。彼女がどういう子供時代を過ごして大人になっていったのか、そこを意識するだけで学校の授業よりも勉強になります。

 

 

 

終わりに

私は男性ですが自分が住む世界とはかけ離れた世界だと思う反面どこか一般の社会にも通ずるところがある気がして、そこを思うと自然に読むことができました。女性の視点で読むことをオススメしますね。