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村上春樹 ドライブマイカー ネタバレ 面白い?面白くない? レビュー オスカー受賞

ドライブマイカー あらすじ

舞台俳優であり演出家の家福かふくは、愛する妻のおとと満ち足りた日々を送っていた。しかし、音は秘密を残して突然この世からいなくなってしまう――。
2年後、広島での演劇祭に愛車で向かった家福は、ある過去をもつ寡黙な専属ドライバーのみさきと出会う。
さらに、かつて音から紹介された俳優・高槻の姿をオーディションで見つけるが…。
喪失感と“打ち明けられることのなかった秘密”に苛まれてきた家福。
みさきと過ごし、お互いの過去を明かすなかで、家福はそれまで目を背けてきたあることに気づかされていく。
人を愛する痛みと尊さ、信じることの難しさと強さ、生きることの苦しさと美しさ。
最愛の妻を失った男が葛藤の果てに辿りつく先とは――。
登場人物が再生へと向かう姿が観る者の魂を震わせる圧巻のラスト20分。誰しもの人生に寄り添う、新たなる傑作が誕生した。

予告動画

 

いま世界が最も熱い注目を寄せる濱口竜介監督。これまで、カンヌ(『寝ても覚めても』コンペティション部門出品)、ベルリン(『偶然と想像』銀熊賞受賞)、ヴェネチア(共同脚本作『スパイの妻』銀獅子賞受賞)など世界三大映画祭を席巻し、その名を轟かせてきた。待望の最新長編作となる本作も見事、本年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。
加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たした!

 

 

本日ドライブマイカーを見に行きました。
私は村上春樹の性的な表現に正直うんざりするところもありました。了承済みとはいえこの映画でも、のっけからそういうシーンが来て、OMG・・・・・・
しかし、この映画においては必要な要素だったのだろうと思いました。
むしろ、見終わったらそういう嫌な部分は微塵もなかったです。人間の潜在的な部分がとても美しい形で開花されていく気がして、こんな気持ちは初めてでした。
おばけ見ちゃったみたいなそういう感じです。

具体的にどういう部分が良かったのかと言うと、脚本には三幕構成というものがあって、それぞれの幕は設定 (Set-up)、対立 (Confrontation)、解決 (Resolution) の役割があります。3つの幕の比は1:2:1です。
ですが、私の感覚だと、ずっと葛藤を見せられている気がして、それが妙にリアルで、でもその葛藤の見せ方があり得なくて、リアルとフィクションの躍動感というかコントラストが見ていてなんとも言えない気持ちにさせました。

舞台の役の台詞に様々な葛藤が含まれている気がしました。ここらへんのもっと深いニュアンスは1回見ただけでは読み取れませんでした。
それでも、家福音の葛藤、家福悠介の葛藤は表現されていて、自分と重なる部分や、散々酷い目にあってその後に演じる役がこれか・・・・・・というところで、自分が演じるにはあまりにも荷が重いと感じて高槻耕史を選んだのでしょう。

高槻耕史を選んだ理由というのは、やはり相応しいと思ったからという所に尽きるのだと思います。
そこに葛藤はあまり含まれていなかったのではないでしょうか。オーディションでの演技を見て直感的に選んだ気がします。それほど完成されていた気がします。
その後に高槻耕史の人間性が表立つのですが、そこで確信に変わったのでしょう。
ここで重要な点は、高槻耕史が自分で空っぽだと言いつつも最後の警察が登場するシーンまでそれがどう言う意味かを自覚していなかった所です。
恐らく、高槻耕史は家福悠介だったら自分を使ってくれるかもしれないという、その程度の気持ちでオーディションに参加したんだと思います。
それぐらい軽薄な人間なのでしょう。他の役者に手を出したり、欲求がコントロールできないところもそれを物語っています。

ですが家福音と行為に及んでいる時は空っぽではない部分があったのかもしれません。人間性の喪失ですよね。
ドライバーの渡利みさきが言っていたように嘘でない部分があったのでしょう。
そういう部分も、家福悠介と重なるような部分がある気がしますよね。子供を失ってそのような部分を家福音が補っていた気がします。
最後の警察が登場するシーン、あそこで高槻耕史は人間性を取り戻したのだと思います。

 

ここまではなんとなくで高槻耕史について思ったことを書きましたが、家福音が、子供の死は自分のせいだったのかもしれないと葛藤していたことについて家福悠介は本当に思いもよらないことだったのでしょうか。
私が思うに、やっぱり子供が死んだことで空っぽだったんじゃないかなと思います。人間性の喪失です
そういう部分に耐えかねていたのだと思います。話そうと思っていたこととは恐らく別れ話のようなものであって、恐らく家福音も空っぽだったんじゃないかなと思います。家福音のそういう部分を高槻耕史が補っていたのだとすると本当に面白いですよね。
でもそういうよくわからない関係には必ず終わりが来ます。今回は死という形で終わりが来ましたが、それがなんていうか、パズルのようにそれぞれの要素と要素が結びついていて、何かが少しでも違ったら家福悠介はずっと人間性を失ったままだったのではないかと思います。

そう思うと、最後家福音に感情でぶつかれば良かったと後悔したところからやりたくない役を演じるところまでの流れがとても感動的で、役を演じていくうちに人間性を取り戻す感じが生命の誕生を思わせるというか、圧倒された気になります。
宗教っぽさもある感じの美しさで、家福音の命と引き換えに新しい命が誕生したような、そういうレベルの魂の震えですよね。
高槻耕史、家福悠介、あるいは渡利みさきも死に向かっていたのではないでしょうか。そんな気がしてなりません。

 

 

 

海外のレビュー
https://www.imdb.com/title/tt14039582/reviews?ref_=tt_urv

「ドライブ・マイ・カー」は、対話、感情、精神的苦悩、そしてドライブ旅行が複雑に絡み合いながら、3時間の長丁場となることを覚悟してほしい。美しい撮影、繊細な演出、魅力的な脚本、包括的な編集(フラッシュバックの使用を避けた濱口竜介監督に賛辞)、そして多言語を話すキャストの見事な演技だ。ここには、消化すべきものがたくさんある」

 

「詩的な演技の名人芸。濱口竜介監督が、不倫と突然の病気で妻を亡くした男の姿を静かに見つめた作品。劇場の稽古場まで自家用車で送り迎えする謎めいた女性運転手(彼女にも過去があった)が、その出来事を受け入れようとする姿を淡々と描く」

 

「3時間という上映時間を感じながらも、テンポが悪いとは感じなかった作品のひとつです。テンポと勢いは意図的で、最終的には、自分だけでなく、自分たちを取り巻く世界とつながろうとする人々の小さな美しいドラマになっていました。作為的な対立や強引なストーリー展開もなく、ただ人々が互いにぶつかり合いながら、私たちの世界が営む抽象的な本質に意味を見出そうとしているのです」

 

「”カフク”(西島秀俊)は、チェーホフの「ワーニャ伯父さん」を若手俳優たちと一緒に上演する演出をする熟練の舞台俳優。
彼は、自分だけが運転すると決めて、赤いサーブのモーターカーで会場にやってくる。
しかし、劇場の方針とは異なり、彼はすぐに、やや無口な「ミサキ」(三浦透子)の有能な手に委ねられる。
2人がお互いに慣れ、新しいキャストと知り合い始めると、彼の過去、悲劇に終わった有名劇作家との結婚、そしてドライバー自身の過失が明らかになり、2人は完全にプラトニックで、過ぎ去った時代がお互いの人生に残した隙間を埋め始めるという物語が展開する。
特に、ハンサムで不思議な謎めいた「耕治」(岡田将生)のストーリーは、彼の師匠のストーリーと興味深く絡み合い、映画は独自のペースを採用し、最初から理解できる(できないかもしれないが!)
しかし、セリフは少なく、時には少し多すぎるくらいで、3時間近い長尺は少し退屈に感じられるかもしれない。
濱口竜介監督は、この映画のスタイルに少し甘えすぎたのかもしれない。
映画的に言えば、のんびりしているし、タイトルが示すように、もっとロードトリップ映画らしいシーンがかなりある。
それでも、とても観やすい映画で、集中力が必要ですし、なぜかあのチェーホフの戯曲であることも、ふさわしいように思えます。
できれば大きなスクリーンで見たい。テレビでは、どんなに集中力のある人でも、しばらくすると注意力が散漫になるのではないだろうか」

 

「「ドライブ・マイ・カー」は、まったく心に響かなかった。客観的に見ればいい映画なんですけどね。ただ、あまりにも静的で長い。3時間の映画で、上映時間の1分1秒を感じるような作品です。他の人がたくさん反応するのは理解できるけど、個人的には繋がらなかった。
ひとつだけ評価できるのは、この映画のラストシーンで、マスクをつけた人々を見るところです。他の映画が全てパンデミックの存在しない世界を舞台にしていることがいかに異様であるかを思い知らされたよ」

 

 

日本のレビュー

https://eiga.com/movie/94037/review/spoiler/

「2つ謝りたいことがあります。
1つ目は、映画ファンであるにも関わらず数々の賞レースを総ナメしている本作を見逃してしまったこと。再上映にて今更劇場鑑賞です。
2つ目は、ここまで賞レースを総ナメしている理由が私には理解できなかったということ。文学的要素が強い映画は改めて苦手なんだなと感じさせられました。

雰囲気良し、役者良し、ロードムービーとしての質高し。これは間違いないです。西島秀俊好きとしてはたまらない映画でしたし、179分あるとは感じさせられないほどあっという間でなんだかクセになる作品でした。

車の見せ方が上手い。
どんなキャラクターよりもあの赤いクルマが好きになりました。マンションで呼び出し、颯爽と高速を走り、雪の中でゆっくりとブレーキをかける。いやぁ、渋くてカッコイイ。というか、西島秀俊と三浦透子がこのクルマにマッチしすぎている。無音の20秒間は超良かったです。

ただ、色んなところで違和感を感じる。
まず、普段の会話まで舞台っぽい。もっと嫌な風にいえば、日本語が気持ち悪かったです。日本語と外国語の交わりでいつもの何倍もしっかりと聞かないといけないのに、日本語が聞き取りずらいと余計に神経使わないといけなくて、なんだかすごく疲れてしまいました笑

そして、舞台に面白さを感じない。
いや、これは決して元となっている舞台をバカにしたり貶している訳では無いのですが、なんというか断面的にしか物語が映し出されておらず、これと現実で起こっていることをすり合わせながら読み取ってくださいと監督の意図していることは分かるけど、あまり舞台の世界観に溶け込めなかったです。これに関してはどうしたら魅力的に舞台を描けたのかという提案みたいなのは出来ないんですが、微妙だなと思ってしまいました。

ストーリー展開は上手いなぁと思う一方、肝心のストーリーがあまり響かず少し自分に苛立ちを覚えてしまいました。皆さんが面白いと思った作品をどうしていつもこうハマらないのか!共感できず悔しいあまりです。これは一度、村上春樹の原作を読んで出直した方がいいのかもしれません。

という訳で、期待値かなり高めで行ったせいか★3.0というなんとも言えない結果になってしまいました。でも、再上映してくれた映画館には感謝でしかないです」

 

「もともと村上春樹の作品はあまり好みではないのですが、なんとなく興味があって鑑賞しました。
とにかくキャストの演技と、映像の暗いけどなんだか美しい雰囲気に脱帽でした。
ストーリーはやっぱり私は共感は出来ないと言うか、理解出来ないと言うか(笑)
私的にはあまり好みではなかったけど、でも3時間の長い作品を飽きることなく観ることができたのは、やっぱりこの作品の素晴らしさなんじゃないかなぁ〜と思います。

最後には、生きるって楽しいことばかりじゃなくて辛かったり悲しかったりする方が多いのかもしれないけれど、やっぱり生きるって素晴らしいことなんだよなぁ〜とか勝手に前向きになってしまいました。
各方面で素晴らしい評価を受けているようですが、さすが、納得しました」

 

「今年の邦画最高傑作でした。
3時間をあっという間に感じさせる心地よいテンポ感。
妻が行為中に話す脚本は、映像や演出などは一切なく1人語りで進むが、全く飽きさせない語り方が素晴らしかった。
車の中でかけられるテープの棒読みと練習する西島秀俊の棒読みが交代する瞬間が非常に興味深かった。
岡田将生と西島秀俊の性格の二項対立も絶妙で、自分自身を全く抑制できない男と抑制しすぎる男というのは、人間全体の二項対立(恋愛や犯罪・人間関係など)にも当てはまるようで、興味深かった。
白い雪の中で2人が無音の中、故人を思い、前を向く(というよりは一歩足を進める)ことを決断するシーンには恋愛感情を超越した愛(もはや純愛)を感じて印象的だった」

 

 

終わりに

この映画はオスカー受賞するでしょう。

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